京都観光ガイドの現場からヒトコマをお届け。
ほっこりする話や、タメになる話や、どうでもいい話など...
京都観光よりも気になるのは持病という話
お客様と京都の様々な名所旧跡を訪ねてめぐります。
道中いろいろ京都のお話をするのですが、ある程度の年配の方の場合、じわじわと持病の話題に移っていきがちです。
せっかくの京都観光なので楽しんでいただきたいし、記憶にも残していただきたいので、違う話題にふって頑張るのですが、これがなかなか手強い!
今回は抵抗あえなく持病の話題となってしまい涙するヒトコマです。
私:皆様、清水道に到着です。
清水寺までは、けっこう勾配のキツイ坂道になります。
なるべくゆっくり歩きますので、何かあったら声かけしてくださいね。
観光客Aさん:嫌ねぇ、私は血圧が高いのよ。
観光客Bさん:私もよ。
でも、血圧の薬ちゃんと飲んでるから大丈夫よ。
ガイドさんは血圧は高くないの?
私:はぁ、まぁ、何とか大丈夫です。
観光客Bさん:あぁ、そう、いいわねぇ。
うちの夫なんか、血圧が高いうえにコレステロールも高いのよ!
私:はい、ここの坂道が「三年坂」です。
別名「産寧坂」といいまして、安産祈願で訪れた参拝者が多かったので...
観光客Aさん:コレステロールって、善玉?悪玉?
観光客Bさん:悪玉よ、LDLとか何とか、あれっ、HDLだっけ...?
私:三年坂では、妊婦の方に気を付けて歩いていただきたいので、コケると寿命が縮むというコワイ言い伝えがあるんですよ。
観光客Aさん:ガイドさん、「コケる」じゃなくて「コレステロール」の話よ!
コレステロールはどうなのよ?
私:はぁ、今のところ。
観光客Aさん:そう、でも、気を付けた方が良いわよ。
じゃぁ、中性脂肪は?
私:有難うございます。大丈夫です。
ここに七味唐辛子のお店がありますが、実は清水寺参拝の名物おみやげでもあるんですよ。
観光客Bさん:唐辛子なら中性脂肪を燃やすのにいいんじゃない?
観光客Aさん:そう?中性脂肪じゃなくて皮下脂肪じゃない?
ねぇ、ちょっとガイドさん、どこか悪くないの?
ひとつくらいはあるでしょ。
私:はぁ、まぁ尿酸値が高いです...
観光客Aさん:そうなのぉ~!
ほーら、やっぱりあるじゃない、持病。
いくつよ、尿酸値の値!
お医者さんには行ってるの?
尿酸値なら薬飲んでりゃ大丈夫よ!
薬飲みなさいよ、薬!
私:はい...有難うございます...(涙)
この後、尿酸値について、
尿酸値をあげる食べ物、さげる食べ物、
痛風の症状、
男性に多い理由、
などなど
延々と続くのでした。
せっかくの清水寺参拝が
「清水寺?あぁ、尿酸値ネ」
という思い出に...